27.比べ物にならないゴミ箱

27.比べ物にならないゴミ箱

さなブログを運営することは、最初は楽しい冒険のように思えた。毎日、新しい記事を書いて、少しずつ読者が増えていく。コメント欄には感謝の言葉や共感のメッセージが並び、そのたびに心が温まった。しかし、次第にプレッシャーが重くのしかかり、心の奥底に暗い影が忍び寄ってきた。


「こんな記事、誰も読まないんじゃないか?」
「他のブログはもっと素晴らしい内容を提供しているのに、自分は何をしているんだろう?」

毎晩、寝る前にそんな考えが頭を巡り、眠れない夜が続いた。夢中で書いていた記事も、気づけば義務のように感じるようになり、楽しさは消え失せていた。ブログの運営が重荷となり、心が折れそうになった時、彼はふと、古びたゴミ箱に目を留めた。

そのゴミ箱は、かつて愛用していたものだった。長年の使用で、塗装は剥げ、底もすり減っていたが、なぜか捨てられずにいた。それを見つめていると、彼はあることに気づいた。


「このゴミ箱、捨てるべきなのか?いや、ちょっと待てよ…」

彼は考えた。ゴミ箱の役割は何か。不要なものを受け入れ、それを処理することだ。今、自分の心の中にはたくさんのゴミが溜まっている。自信の欠如、不安、プレッシャー…。これらもまた、捨てるべきものではないか?

次の日、彼は一大決心をして、そのゴミ箱をリビングに持ち込んだ。そして、紙とペンを用意し、心の中に溜まっている全てのゴミを書き出すことにした。

「今日は全然集中できなかった」
「他のブロガーと比べてしまって苦しい」
「もっと良い記事を書けるはずなのに」

そう書いた紙を、一枚ずつゴミ箱に投げ入れた。まるで心の中の重荷が、実際に軽くなっていくかのようだった。数日後、ゴミ箱は紙切れでいっぱいになったが、彼の心は驚くほど軽くなっていた。


ある夜、彼はふと思った。

「ブログは楽しむために始めたんだ。完璧である必要はない。ただ、自分の思いを伝えることが大切なんだ」

その時、彼は初めてブログを始めた頃の気持ちを思い出した。純粋に楽しんで書くこと、その楽しさを読者と共有すること。それが本来の目的だったのだ。彼は再びブログを書くことに対して熱意を取り戻し、心から楽しめるようになった。

ゴミ箱は、今でもリビングに置かれている。彼が心のゴミを捨てるたびに、そのゴミ箱は頼もしく受け入れてくれる。そして、その度に彼は新たな気持ちで前を向いて歩み出すのだった。


最後に、あなたに問いかけたい。心の中に溜まっているゴミはありませんか?もしあるなら、そのゴミをどこに捨てますか?

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※当ブログで取り扱う短編小説の物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。

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