113.民の力

113.民の力

A子は権力者の側で働いていた
それ故に、これまで何度も権力者の卑劣なやり方を間近でみてきたのだった

そのためA子は、いつか団結した民が権力者を倒してくれるだろうと信じていた

実際、これまでの歴史の中で、大きな権力が民を支配した時があった
それでもその度に民は立ち上がり、団結して権力で支配しようとするものをなぎ倒してきた

A子はネットの時代になって、民は昔より遥かに団結しやすくなったことを喜んでいた

なにせ#タグ1つで同じ事に注目している人を集めることができるのだ
こんなに便利なものはないとA子は思った

しかししばらくすると、A子はつかの間の喜びだったことに気がつくのだった

ネット上では、確かに団結しやすくなっていた
しかし攻撃の対象者は権力者ではなく、同じ民を攻撃するようになっていた
いわゆる魔女狩りの状態である

A子は思った
「人はいとも簡単に1人の人間を一斉に攻撃する道具を手に入れてしまったのだろうか」
A子は悲しんでいたが、どうすることもできなかった

それどころか、民同士で傷つけ合わせることは意図して行われていることに気がついたのだった

権力者は既に、権力者にとって民が団結して攻撃してくることがもっとも厄介なことだということは、これまでの歴史をみて十分に理解していた
そこで自由の名のもとに、民同士で攻撃をし潰し合うように仕向けていたのだ

ずる賢い権力者は、「自由に発言していいですよ」といった魅力的な提案を投げかけていた
この理由は、民の団結力を解消させるため、民のストレス解消の場として場所だけを提供する方が利用しやすいことを心得ていたからだった

あとはたまに物議を醸し出す言葉をかけるだけでよかった

今では「お騒がせしてすいません」という行為はひっそりと影を薄れ、あえて騒ぎを起こす風潮さえも根付かせようとしていた
A子は権力者の側で間近で見てきたため知っていた

全ては混乱を撒き散らすことで、民の考える力を奪うためだった

しかも、たしかに民の団結力はすごい力だが、団結したあとは1つの生命体の如く動くことで民にはコントールできなくなり、団結する数が多くなるほど1人1人は無責任になり考える力は失われ無力化する仕組みを権力者は把握していたのだった

A子は権力者の言う事を側で聞いていた

「民の力を利用するには内容は関係ない、ただ強い印象を残せればそれでよい」
ただ扇動するだけで、権力者はいとも簡単に民の力を味方にしていたのだった
日々の生活で余裕がない民はもちろんのこと、余裕のある民は暇つぶしに没頭することで疑問を持つことさえなかった

今では民の力は、権力者をなぎ倒すためではなく、権力者の力をより強固にするために利用されていることを知り、A子は愕然と立ちすくんでいたのだった

補足

民の力を権力者が利用できるようになった時、より巧妙に支配されていることに、民は気づくことができるのだろうか

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