79.曖昧


79.曖昧

子は遂に「若返りの秘訣」を編み出した。

それまでA子は、日々老いていくことに耐えられなかった。
様々な事を試した結果、殆ど効果を感じられなかった。

A子は、焦りを感じていた。
久しぶりに会った同級生が歳を取っている姿を見ると「きっと,自分もそうなんだわ」と思え、気が狂いそうになっていた。
年齢に応じた美しさなんて、A子にとっては負け惜しみにしか聞こえなかった。

そんなある日の事。
A子はある疑問がわいた。

「歳をとったなんて、どうしてわかるのかしら?」
A子は、確認するために試してみた。
まず、今日の自分の姿を鏡でまじまじと見つめ確認した。
念の為、スマホで自分の姿を写真にとっておいた。

そして明くる日、再び、自分の姿を確認してみた。
すると、どこも変わったように見えない。

そこで写真を取り、昨日の写真と比べ確認してみることにした。
それでも、来ている服以外、どこも変わったように見えない。
A子は「変わっていないということは、歳をとっていないのと同じでわないか」と思った。

確かに三十年前の写真と比べると、明らかに違いがわかる。
同級生と久しぶりに会ったときも、変化を感じた。

そうであっても、昨日自分と比べると、殆ど変わったようには見えない。

もちろん気が付かないだけで、わずかな変化は生じていて、歳をとっている事は理解していた。
「ということは、それだけ僅かなのであれば、それよりほんの少しだけ若返る努力をすれば、いずれは大きな変化として若返る事ができるのではないのかしら」と、A子は考えた。

「大きな努力はいらない。ほんのちょっと、気づくか気づかないかだけの若返る努力を続けていってみよう」

それから三十年後..

A子は確かに、年齢より遥かに若く見えるようになっていた。
ところが、その翌年の事である。
A子は大病を患い、死期を迎えることになった。

A子は最後に言った。
「やっぱり、歳には勝てなかったわ」

補足

小さな積み重ねが、やがては大きなものになる。その事実は、簡単に理解できる。
そこで「その小さな積み重ねと、大きなものを、どこで句切れるのか?」と考えると、途端に曖昧になってくる。
だからといって曖昧なままだと、根拠を含めた全てが曖昧になってしまう。
「年齢より若く見える」と定義した場合、それが一時間であっても同じなのか?といえば、現実的ではなくなってしまう。
なぜなら、たとえそれが0,一秒でも同じことになるからだ。
では「5歳以上」と定義したとすれば、4歳三百六十四日若く見えるとしたら、それは「若く見える」とは言わないとなり、やはり現地味がなくなってしまう。

「若く見える」は、あくまでも例の一つに過ぎない。
出そうと思えば、裕福と貧乏など、きりがないほど数多く出せる。
であるならば、結果の所「現実とは曖昧なものだ」と片付けるしかなくなってしまうのだろうか。大きな結果が出るまでは..

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