100.恐怖


100.恐怖

男は、ある発見をした。
それは「見かけ、根拠、証拠」だけで、殆どの人が信じてしまうということだった。

あえて調べるのが面倒なものだけを扱い、偏ったエビデンスを数多く提示するだけで、いとも容易く信じ込んでしまう。
A男は、この方法を使うことで、数多くの信者を集めることができた。

ところがそんなある日の事、ある有名な女優とのスキャンダルがきっかけとなり、全ての地位と名誉を失うハメになってしまった。

A男は、思った。
「もぅ、何も失うものはない」

A男は自暴自棄になり、とんでもない事を考えていた。
「いっその事、派手に殺人でもやらかして世間を騒がせてやろう」

そこでA男は、金を持っていることをアピールすることで、信頼を得ている大金持ちの人物をターゲットにすることに決めたのだった。
そしてA男は時間をかけ綿密に計画を練り、スキを狙い殺人を成功させることができた。

その後直ぐ、捕まる前に殺した相手の金を、生活が困窮している子供を支援している団体に匿名で寄付したのだった。
そして、A男は捕まり死刑になった。

A男に悔いはなかった。
と、このような事をA男は常に考えていた。

失うものはない人間は恐ろしい事を承知していたため、狙われても大丈夫なよう常に警戒を怠らなかった。

失う方が、遥かに怖かったからだ。

A男は、金持ちになればなるほど、更に大きな金を求めた。
念には念を入れ、金の無い者たちに定期的に少しずつ恵んでやることで、リスクを回避するように努めていた。
税金もできるだけ払いたくし、同時に狙われないようにするため、海外への移住も行う段取りになっている。

そして同時にA男は、万が一失ってしまった場合も、どうするべきか決めていた。

A男は思った。
「どちらにしても、成功するだろう」

補足

失うものは何もない人間VS失う事が怖い人間では、どちらに勝機があるのだろうか?
共通点としては「人も弱いものを狙う本能がある」といった点なのかもしれない。
信者を集める目的として巧みに隠されない限り..
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※当ブログで取り扱う短編小説の物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。

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