4.親切


4.親切

A子は人へ親切にすることに、純粋に喜びを感じていた。
困った人がいると、手を差し伸べてやった。

A子は感覚的に「相手のために」と思い行動することは正しいと信じていた。それにも関わらず、なぜか友人は減っていった。

相手のためを思い行動すればするほど、相手に嫌がられてしまうのだ。

A子には、相手の態度が理解出来なかった。
「何で?こんなに思っているのに」

相手は、それが迷惑だと感じていたのだった。

求めていない事を「あなたのためを思って」という言葉で決めつけ、それを押し付けてくる。
そんな押し付けがましい態度に、ほとほと嫌気が指していたのだ。

そんなある日の事、A子は大病を患い死の淵を彷徨い続けた。そして、それを乗り越えたことで気づくことが出来た。

「そっか。相手の事を思っているつもりで、自分の気持の押しつけだったんだ」

A子はその日から心を改め、考えを変えることにした。
今までは、感覚的に行動していた。それを相手の立場や要望を考えて行動することにしたのだ。

自分が「こうした方が相手のためになる」と感じても、相手が望んでいない場合、口に出さないことにしたのだ。

その内にA子は、会話の中でも常に相手が望んでいることを答えるまでになっていた。
相手が「本心を言って欲しい」と言った時でさえも、相手が望む内容を口にするまでになり、それは習慣化していた。

すると友人や知人が増えていき、信望が厚くなっていった。

そしてその後、気がつくとA子にはいつの間にか繋がりが増え、周りの人からも押される形で政治家になっていた。
A子は国民が望むことを率先して行っていったため、権力の座を手に入れることが出来た。

その結果...
国民は欲望に溺れ、堕落していったのだった。

A子は考えた。
「多くを救うためなら、多少の犠牲は厭(いと)わない」

A子はこれからも、相手の要望に答えていくことを選択していくのだった。

補足

親切とは諸刃の剣でもあるのかもしれない。だからといって皆が親切をすることを躊躇してしまえば、この世は殺伐とした雰囲気になるだろう。

とはいえ、相手の求めることに答えることが親切なのだろうか?

道徳に沿って行動しているか?していないのか?は、一面だけ見ても判断がつかないといえるのかもしれない。

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