68.独自性


68.独自性

は、思いきって宗教を立ち上げることにした。

Aは、他の宗教の教えを拒絶し、狭い殻に閉じこもる偏ったものにしたくなかった。
そこで他の宗教を尊重し、素晴らしい教えとして素直に取り入れていくことにした。

その教えが時代に受け入れられ、信者はうなぎ登りに増えていった。

すると、同じように他の宗教の教えを取り入れていた新興宗教団体も、次々と増えていった。

Aはその様子をみて思った。
「実にけしからん。独自の教えが素晴らしいからこそ、取り入れているのに、これでは独自性がなくなってしまうではないか」

そしてAは気がついた。
「私の起こした宗教が、まさにそれだった。これ以上増えると大変なことになる」

Aは急いで方向転換をすることにした。

他の宗教が増えないよう、批判をはじめた。
だが既に、時は遅し。
世の中には、似たような宗教ばかりが溢れかえっていた。
それと並行するように、似たような考えの人も増えていたのだった。

そこでは皆こぞって言っていた。

簡単にまとめると、このような内容だった。
「我こそは、独自性のある考え方なり」

補足

オリジナリティとは、実のところ何を指すのだろうか?
多様性が価値あるものとして存在し続けるためには、多様性を価値あるものとみなしてはいけないというジレンマに陥る。

なぜなら、多様性の価値が上がる毎に、独自性の価値が下がり、多様性がなくなっていくからだといえるだろう。
これは文化や宗教的なものだけではなく、個人にも当てはまるのかもしれない。

結局のところ「様々なものから学ぶ、或いは楽しむ」という事は、方法としては有りなのかもしれない。
それ自体が「考え方」となった時、意味がなくなってしまうのだろうか。

伝統や教義を伝える事が単に技術的なものだけとなってしまうかもしれないが..

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