55.ダイエット


55.ダイエット

子は、ダイエットをすることに決めた。
単に美しくなって自信を付けたいと思っただけでなく、かといって、健康のためでもない。

A子のダイエットの目的は変わっていた。

自分が贅沢を我慢することは、ひいては貧しい人達のために繋がるという強い信念が湧いたからだった。

A子は、確かに直接的には関係ないのかもしれないという事実は知っていた。
それでも自分がそれを意識してダイエットをやることで、誰かに影響があり、ひいては貧困であえぐ国の人達にも届くかも知れないと考えていたからだった。

このようにA子は、頭では理解していた。それでもダイエットは簡単ではなかった。
どうしても、衝動に敗けてしまうのだ。
我慢出来なくなってしまう。

A子は「大きな理想のためなら、命をもかけられる」そう思っていたが、現実はそう甘くはなかった。

次から次へと欲望を刺激する情報がなだれ込んでくる。
そんな社会の中でダイエットするなど、とても無理な話だと思えた。

A子は「それなら」と、いっそのこと貧困であえぐ国へ引っ越すことも考えはじめていた。

そんなある日の事、運命の出会いとも呼べる出来事があり、A子に好きな人ができた。

付き合い幸せな日々を過ごしている中、ダイエットのことはいつしか忘れていた。
そのうちに、A子は結婚を考えはじめていた。

A子の彼氏は言った。
「お前がもう少し痩せていたらな」

その言葉を聞いたA子は、全身に電気が堕ちたようなショックを受けた。
A子は、心機一転ダイエットに精進した。

結果、A子のダイエットは成功したのだった。

補足

大勢の貧困の人達を思う気持ちより、自分自身を思った方がモチベーションに繋がったとしても、せめられることはないといえるだろう。
ただもしこれが逆の場合、どうなるだろう?

例えば、自分の身を犠牲にして多数の命を救う行為。
これは、英雄的行為となるのかもしれない。
とはいっても、もちろん英雄的行為をしない人が皆、道徳に反しているとはいえない。
どちらにしても、大きな努力と決断は必要だといえるだろう。何かが犠牲になる限り..
※当ブログで取り扱う物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。

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