34.自由


34.自由

子は単純だったが、大勢の人間に崇拝されていた。
A子は検閲を嫌い言論の自由を支持していたからだ。

A子は、直接的でなければ法に触れず言論の自由があるという考えの元、自由に発言できる場所をインターネット上に作った。

そこでは匿名性が高いため、発言は活溌化していき、いつしか過激になっていった。
そして言葉の暴力により多くの企業が損害を被っただけでなく、それによって傷ついた多くの人間が死んでいった。

A子にとっては、発言の場を提供しただけであり、そんなことは知ったことではなかったため、間接的であれ直接的であれ、何人死のうが気にもとめなかった。

それは言論の自由の信望者からもてはやされていたから尚更だった。崇拝者が出ると次は権力者が迎合していく。A男はうなぎ登りに大きな力を手に入れていった。

もちろんA子は、信望者達から非難されないように「利益なんか出てない」と発言していた。
加えて自分自身が避難される前に他の者を非難することで「自分は違う」という巧妙なトリックを使うことにたけていたため「おかしいな」と感じている者もその事を深く考えなかった。

しかもA子は「バレなければ問題ない」とバレないようにするのは天下一品だった。
加えて嘘の発言や集団を煽りコントロールする自由も支持していた。

怒りや憎しみ、不信感といった負の感情を増幅させ、諦めや退化という偽りの希望とつぶしあいで力を奪い、まだ社会に出て経験が浅いものや余裕のない弱いものをターゲットとし取り込み、強いものには上手に迎合していった。
A子の権力を脅かすものは巧みに悪として位置づけ、信望者に攻撃させることで排除していくのだった。

「法律に触れさえしなければ、何やってもいいわ。触れても法の目をくぐればいいし」
多くの信望者を味方につけたA子は、今日もご機嫌良くほくそ笑んでいた。

補足

言葉が伝達のためにあるのなら、そして、自由が権利の主張だとすれば、公の場で不特定多数に発信する時は慎重になるべきだといえるだろう。なぜなら、言葉は人と人との関係性で成り立っているからだ。

何でもありとなれば自由は崩壊する。嘘がまかり通れば、信頼関係が無くなり何も信じられなくなってしまう可能性すら生じるといえるだろう。とはいえ、責任のある言論の自由について考えるのも自由だといえる..



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