51.善意

51.善意

様からの心からのご寄付は、大切に使わせてもらいます」
Aは、心からお礼の言葉を言った。

実際に、寄付は図書館の書物の贈呈に使われた。
それによって、お礼に数々の称号を得られることで、更に寄付が集まった。

「この仕組みは、素晴らしい」

Aは良い行いをしていると信じていた。
ところが後日、真実が発覚した。

寄付のやりくりを任せていた四人の幹部は、確かに図書館に贈呈していた。
他にも集会の建物建築や環境保護に関する寄付などへも使われていた。
しかしそれは寄付の一部に過ぎなかった。

余った多額の寄付は某国の預金に回され、その預金を元に麻薬の販売に流れていたのだ。

Aは四人を集め問いただした。
「なんでこんな事をしたのだ!」

すると四人の幹部は説明した。
「実際に多くの人達が助かっています。
預金が麻薬に流れているといった情報は、私達には聞かされておりません。おそらくデマでしょう。何も証拠はありません。
それに預金を元に何をしているかは、私達は関知しないところです。
しかもそれを認めれば、寄付は集まらなくなり、多くの人達を助けてあげられなくなるでしょう」

Aは「しかし!」と言ったまま、言葉に詰まってしまった。

補足

お金の流れを道徳性で追っていくのは、簡単ではないといえるだろう。金額が大きくなると現実味が薄れていくためなおさらかもしれない。。

それにも関わらず、簡単にお金を出してしまうことは多々起こりうる。なぜなら、そこまで考える余裕はないからだ。
目の前の、交換としてお金の機能を果たしていることだけが、重要だと考えてしまいがちだといえるだろう。

お金に力があると知っていても、お金の流れまでは追えないのが実情だといえるのかもしれない。

善意の寄付が、全て道徳的に使われているかを調べることはできるのだろうか?
或いは時間と労力をかけてまで、お金の流れまで考えて使うべきなのだろうか?
これは寄付だけでなく、お金全般にも通じるのかもしれない。

お金の目線からいえば「そんなの知ったことじゃない」のかもしれないが..


次は..52.現実

他の興味深い記事もご覧ください。お時間の許す限り、さまざまなテーマをお楽しみいただけます。
※当ブログで取り扱う短編小説の物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。

読者の皆様へ

この記事をご覧いただき、ありがとうございます!この記事に関する間違いなどのご意見、ご不明点などのご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。お問い合わせフォームは、パソコンからはサイドバー、スマートフォンからはトップページのメニュー内にございます。

このブログの人気の投稿

WordPress多言語サイトの最適プラグイン比較と設定ガイド:初心者必見の15の解決策

AIを駆使して効果的なSEO記事を作成する方法

コピーライティングテクニックの参考書(期間限定)メニュー

子供を守る!学校での熱中症対策:教師と保護者の実践ガイド

ホラー映画ファン必見!おすすめのVODサービス徹底ガイド

プライバシーの尊重

皆様からいただいたフィードバックや個人情報は、厳重に管理し、第三者に開示することは一切ありません。安心してご意見をお寄せください。

皆様からのフィードバックをもとに、より良いコンテンツ作りに努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。