52.現実


52.現実

子は、目が覚めた。

「えっと」
A子は、自身に何が起こったのか思い出そうとしていた。

「そうだ。事故にあったんだった」
A子は、ようやく思い出した。
高速道路で車の運転中、居眠り事故を起こしたのだった。

A子は、それが夢だったことを知り、ほっと安堵の息をもらした。

「しかしまるで現実のような夢だった」
A子は、何かその事故に合うまで、ずっと夢の中で過ごしていたような感じがしていた。

それでも気にしてもしょうがないので、いつもの日常に戻ったのだった。

そして数年が経過したある日の事、またしてもA子は事故にあった夢をみた。
そして、A子はベッドで目が覚めた。

A子は数年前に経験したことを思い出し、もはや現実と夢の区別がつかなくなりそうだった。
とは言ってみても、そこには確実に自分自身が存在していることを確認できる。

A子は「変な夢だった」と言って、いつも通りの日常に戻るしかなかった。
そんな事が、忘れた頃に何度か繰り返された。
繰り返す間隔がだんだん短くなり、毎日みるようになっていった。

そしてついにA子は発狂した。

すると、どこからか声が聞こえて来た。
「エラーです。不明なエラーが生じました」

A子が目を覚ますと、何とそこは水槽の中で、身体はなく、A子は脳だけ水槽に入れられていた。

A子は驚きのあまり「きっとまた夢よね」と考えるようにした。

するとまた、どこからか声が聞こえてきた。
「どうやら、バーチャルシステムにエラーが生じたようです。復旧を開始しますので、今しばらくお待ちください」

しばらくすると、A子は目を覚ました。

「お目覚めですね」
そこには、監査官と呼ばれる人がいた。

監査官は言った。
「すこし混乱しておられると思いますので、説明しましょう」

監査官は続けた。
「A子さん、あなたは新しいバーチャルリアリティのゲーム機のテストに参加しておられました。ところが、その途中エラーが生じたのです。
ご協力のお陰で、エラーの原因が特定できました。
お礼のお金はお振込みとなります。ありがとうございました。
あちらからお帰りください」

A子はようやく理解し、家に帰った。

A子は日常生活に戻った。
歳を重ねていき、そしてA子は寿命を全うした。

するとA子の側で声が聞こえてきた。
「今回の人生はいかがでしたか?
料金は一万円となります。
次は、どのような人生を楽しまれますか?」

補足

人は直接的に何かをしなくとも、喜怒哀楽の感情を湧き出させることができる。
映画やドラマに没入する、或いはインターネット上での触れ合いなどで、痛みや喜びという快楽を感じることもできる。
とはいえ、これらは目で入った情報に過ぎない。
それでも、多少なりとも現実を感じることができるのなら、他の五感全てで感じられた時、どうなるのだろうか?

仮に、今生きている現実がプログラムに制約された状態だったとして、そのプログラムから解き放たれることで、目が覚めたとする。
目が覚めた後の世界が、現実だという保証はどこにあるのだろうか?

私達は「現実を確認する術を持たない」といえるのかもしれない。
それ自体が現実だと思えれば別かもしれないが..

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