43.予測


43.予測

男は予測の達人だった。

A男は全ての可能性を探っていた。
爆弾の線を切る。
赤の線か?青の線か?
間違えると死ぬ。

いくらA男が予測の達人だといってみても、既に爆弾を設置された過去は変えることはできない。
実際、どちらかの線を切れば助かるという答えは、既に決まっているのだから。

だからといって、適当に直感に従うことはできない。
「生き残る、死ぬのも運命の一つさ」と悟ったフリをして、コイン投げなど神に采配を任せるわけにもいかない。

多くの人の命がかかっているのだ。
万が一はあってはならないし、許されることではない。

A男は、再び持てる知識と経験の全てを振り絞って、再び全ての可能性を探り予測をすることにした。
それでも、100%にはならない。

全ての可能性だと思っていても、見落としや穴があるかもしれないからだ。
どうしても、運任せの面が残ってしまうのだ。

とそこに、できたばかりの最新の装置が届けられた。

その装置には、あらゆる角度から全ての可能性を探り、100%の確率を導き出せるプログラムが施されていた。

A男は、これで安心して線を切ることができると思った。

「仮に、このプログラムが不完全だとしても、それは俺のせいではない」
それでも、これまで予測の達人として名を馳せてきたA男は思った。

「俺だけでない、多くの人の命がかかっている。本当にこんな機械のせいにしてもいいのか?この装置が確かである可能性は、どのくらいあるのかだろうか?」

そう考えているうちに、時間切れになってしまった。
「ドカン!」

そう聞こえたのは、気のせいだった。

既に赤の線が、他の人間により切られていたのだ。
A男は全面的に任せられていたため、どうしても気になり、他の人間が線を切った理由を聞いた。

すると、その理由はこのような内容だった。

その装置が届けられる前に、A男が装置を使う判断を決める時間が間に合わないと既に装置で出ていたため事なきを得たということだった。

それを聞いたA男は、この装置を使った人類の未来を予測した。
「これで全人類の運命は決まった。自由意志はなくなったのだから」

補足

情報処理と計算速度が想像を遥かに超えた量子コンピューターが誕生し、更に進化していくことで未来を予想できる確率は益々上がっていくだろう。さすがに100%にはならないのかもしれない。それでも、高確率になることで予め運命は決まっているという確率も上がっていくことになるのだろうか..
※当ブログで取り扱う物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。

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