44.約束


44.約束

魔は言った。
「約束を果たしてもらいに来たぞ」

Aは、はじめは何のことか思い出せなかった。

それを察した悪魔は、続けて言った。
「忘れたのか?三十年前に約束をしただろう。
新築一戸建てをやった代わりだ。約束通り三年分の寿命をもらいにきた」

Aは思い出した。
その当時は三年くらいと思っていたが、歳を重ねた今では恐ろしい約束をした事に気がついたのだった。

悪魔は続けた。
「どうした?何を迷っている。この契約は妥当なものだ。
お前ら人間のローンと同じ時間で計算しているのだからな。
親切な悪魔だと言ってもらいたいくらいだ」

Aはそれでも納得出来なかったので、思いきって言ってみた。
「そんな三十年前の約束なんか知ったことか!ローンと同じというなら、踏み倒すまでだ!」

悪魔はそれを聞いて冷静に言った。
「いいだろう。お前のような人間もいるからな。その代わり、もうこの家には住めない。そしてお前の願いを聞く悪魔はいなくなるだろう。極悪の悪魔以外はな。ククク」

悪魔はそう言って、立ち去って行った。
Aはこんなことなら、はじめからローンを組んで購入しておくべきだったと後悔した。

補足

未来に続く約束は、どこまで守られるべきなのだろうか?
人は「寿命を引き換えにする」と聞くと、途端に怖気付いてしまう。

それなら、ローンを組むことも同じことではないのか?

そうなれば、見返りを求める「契約」とは悪魔との約束や取り決めと言ってみてもいいのかもしれない。

だとすれば、神との契約はどうなるのか?
「信じる者は救われる」「疑いを起こしたものは、みんな捨てることになる」といったものも、契約とよべるのではないだろうか。
1度契約を交わした者が踏み倒せる勇気があるかは別だが..

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