99.詐欺

99.詐欺

は「金持ちになりたい」という強い思いを抱いていた。
日々、何か「良い方法はないか?」と探し求めていたある日の事。

「100%億万長者になる確実な方法」という教材を見かけた。
Aは「まさかそんな事があるはずがない」と思いつつも「証拠」というものが並んでいたのをみて、思わず飛びつくように購入してしまった。

早速中身を読んでみたところ、なんとそこには「宝くじを買い続けること」とだけ書いてあったのだ。

問い合わせたところ「嘘ではありません。当社のアドバイスに従い、購入を続けた方の中には、当選された人もおられます」と返ってきた。

弁護士に相談してみると「購入者の数が多い分、中には当たった人もいるのでしょう。情報も送られ続けてきており、連絡もとれるので返金は難しいでしょう」と言われたのだった。

Aは自分のバカさかげんに嫌気がさしてきた。

Aは、このままでは悔やんでも悔やみきれないと思い「なぜ、騙されたのか?」を考えてみることにした。

証拠に踊らされたのはだしかだ。
Aは用心深いところもあった。それにも関わらず、なぜ容易く騙されたのかが不思議だったのだ。

しかも「人は容易く騙されない。嘘を見抜く直感が備わっている」という話も聞いていたから尚更だった。

そこでAは、そのような行為を生業としている人間を、執念で遂に突き止め会えることになった。

その相手は言った。
「確かに嘘は直感で見破られる。しかし我々は嘘をついているつもりはない」と、当然の顔で言うのだ。

Aは思った。
「それなら、確かに見破られにくいかも。何せ自覚をしていないのだから」

その相手は、更に続けた。
「それだけではない。我々は救済をしているのだよ」

それを聞いたAは驚いた様子で言った。
「人を騙しておいて、救済だって?」

すると相手は言った。
「先程も言ったように、騙しているつもりはない。今後、騙されないよう、教育を施してあげているのだよ」

Aは、呆気にとられ言った。
「つまり、勉強代だと?」

相手は答えた。
「そうとも言うな。というよりも、そうとられてもらって結構。
君も稼ごうという欲望で選択し、行動したのではないのかね?
我々は我々なりに、頭を使い、知恵を振り絞って考えているのだよ。

我々のしていることが気に食わないなら、それ以上に考えていけばいいことだ。
何もしないで楽に稼ごうなどという甘い考えの連中には鉄槌をくださねばならない。

結局、稼いだ者勝ちだということだ。
我々もある程度結果を出した後は、海外に飛ぶ用意は出来ている。

その時は、人々の見る目も変わり、我々を勝ち組だと呼ぶだろう。
勝ち組という言葉も古い呼び方かもしれないがね」

Aは「だとしても!」と続けようとしたが、それ以上返す言葉もなかった。

補足

詐欺が法律で裁きにくい理由の一つに、価値を提供しているというバランスが取れているのか?という判断が付きにくい事が挙げられるだろう。

例えば、掃除機を買って「部屋がきれいになると聞いて買ったのに、きれいにならなかった」とは言えない。

なぜなら、掃除機は手に入れているからだ。

掃除機を使ってもきれいにならなかったというのは、ゴミ屋敷だったということもありうる。
それでも、近年無形物の製品が増えてきた上、無法地帯のインターネット上に紛れ、誇大広告は蔓延している状態だといえるのかもしれない。

ともすれば、購入依存にもなりかねない。
それを防ぐためには、少なくともどんな事にしても、使いこなす覚悟は必要だといえるだろう。もちろん「被害者を拡大させない前提で」となるが.. 

※当ブログで取り扱う物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。

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